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自分で給料計算をしたい方へ

給与計算の仕方

給与計算のやり方を、社会保険料・所得税・住民税それぞれの計算式と、具体的な金額を使った実例つきで、手順ごとに解説します。「自分で給料計算をしてみたいけれど、どこから手をつければいいか分からない」という方向けの完全ガイドです。すべての計算をまとめて自動で行いたい場合は、給与計算ツールに月給を入力するだけで結果が表示されます。手元に給与明細がある方は、給与明細の見方と計算方法のページも参考にしてください。入力した数値がサーバーに送信されない仕組みはプライバシーポリシーで説明しています。

給与計算の全体像:4つの工程

給与計算の実務は、大きく分けて次の4つの工程で進みます。

  1. 勤怠集計:出勤日数、労働時間、残業時間、欠勤・遅刻・早退の時間を集計する。
  2. 支給額算出:基本給に、残業手当・各種手当(住宅手当、役職手当など)・通勤手当を加えて総支給額(額面)を求める。
  3. 控除計算:総支給額から社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険)と税金(所得税・住民税)を差し引く。
  4. 給与明細作成:支給額・控除額・差引支給額(手取り)をまとめた給与明細を作成し、従業員に交付する。

本ページでは、このうち特に間違えやすい「控除計算」の工程を、社会保険料と税金それぞれの計算式に沿って詳しく解説します。

ステップ1:総支給額(額面)を確定する

まず、その月に支給する総支給額を確定させます。

例:基本給25万円、時間外手当1万5,000円、通勤手当8,000円のケースでは、総支給額は25万円+1万5,000円+8,000円=27万3,000円になります。

ステップ2:社会保険料を計算する

社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料)は、いずれも総支給額(通勤手当を含む)に料率を掛けて求めます。2026年度(令和8年度)の本ツール使用料率は次のとおりです。

項目計算式(本人負担分)対象
健康保険料総支給額 × 4.95%全員(協会けんぽ全国平均の半分)
介護保険料総支給額 × 0.81%40〜64歳のみ
厚生年金保険料総支給額 × 9.15%(上限:標準報酬月額65万円)全員
雇用保険料総支給額 × 0.5%全員(一般の事業、上限なし)

例(総支給額27万3,000円、39歳、介護保険なし):

実際の給与計算実務では、この料率を直接掛けるのではなく、総支給額を「標準報酬月額」という約50段階の等級表に当てはめてから料率を掛けます(例:27万円は26等級「280,000円」に区分される、など)。等級表を使うと数百円程度の差が出ることがありますが、目安としては直接計算でも十分実用的です。

ステップ3:課税所得を求める

所得税・住民税を計算するには、まず総支給額から「給与所得控除」という会社員の必要経費に相当する控除を差し引き、「給与所得」を求めます。給与所得控除は年収に応じて次のように決まります(令和8年度)。

年収給与所得控除額
190万円以下一律74万円
190万円超〜360万円以下年収 × 30% + 8万円
360万円超〜660万円以下年収 × 20% + 44万円
660万円超〜850万円以下年収 × 10% + 110万円
850万円超一律195万円

次に、給与所得から「基礎控除」(合計所得金額に応じて最大104万円、令和8〜9年度の特例額)と「扶養控除」(1人あたり所得税38万円・住民税33万円)、そして社会保険料控除(支払った社会保険料の全額)を差し引くと、所得税・住民税それぞれの「課税所得」が求まります。

ステップ4:所得税を計算する

課税所得(年額)に、次の速算表を当てはめて所得税額(年額)を求めます。

課税所得(年額)税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超〜330万円以下10%97,500円
330万円超〜695万円以下20%427,500円
695万円超〜900万円以下23%636,000円
900万円超〜1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円超〜4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

算出した金額に、復興特別所得税(2.1%)を上乗せしたものが最終的な所得税額です。例:課税所得が年間150万円の場合、150万円×5%=7万5,000円に復興特別所得税2.1%を加えると、約76,575円(月割り約6,381円)になります。

ステップ5:住民税を計算し、手取り額を確定する

住民税は、給与所得から住民税用の基礎控除(43万円、令和8〜9年度も変更なし)・扶養控除(1人あたり33万円)・社会保険料控除を差し引いた課税所得に、税率10%(市区町村民税6%+都道府県民税4%が標準)を掛けた「所得割」に、定額の「均等割」(年5,000円、市区町村3,000円+都道府県1,000円+森林環境税1,000円)を加えて求めます。

重要な注意点として、住民税は前年(1月〜12月)の所得を基準に計算され、翌年6月から翌々年5月にかけて天引きされます。そのため、新卒1年目や転職直後で前年に所得がなかった場合、その年の住民税はかからないか、非常に少額になります。

最後に、次の式で手取り額(差引支給額)が確定します。

手取り額 = 総支給額 − 社会保険料合計 − 所得税 − 住民税

ここまでの手順をすべて自動で計算したい場合は、給与計算ツールに月給と条件を入力するだけで、この記事と同じ計算式に基づいた結果がすぐに表示されます。

月給別・計算過程の早見表(1万円刻み)

39歳以下、扶養親族0人の場合の、月給20万円〜40万円の範囲での計算過程です。総支給額に4.95%(健康保険)、9.15%(厚生年金)、0.5%(雇用保険)を掛けた社会保険料と、そこから導かれる手取り額の目安です。

総支給額社会保険料計所得税+住民税(月割)手取り額(概算)
200,000円約29,300円約8,038円約162,662円
220,000円約32,230円約9,702円約178,068円
240,000円約35,160円約11,366円約193,474円
260,000円約38,090円約13,029円約208,881円
280,000円約41,020円約14,693円約224,287円
300,000円約43,950円約16,356円約239,694円
320,000円約46,880円約18,322円約254,798円
340,000円約49,810円約20,288円約269,902円
360,000円約52,740円約22,254円約285,006円
380,000円約55,670円約24,219円約300,111円
400,000円約58,600円約26,185円約315,215円

金額は給与計算ツールの計算エンジン(src/lib/jp-tax.ts、ステップ1〜5の計算式)で算出したものと同じです。他の月給・年齢・扶養人数の組み合わせを試したい場合は、上部のツールに直接入力してください。

自分で給料計算をするときによくある間違い

よくある質問

給与計算の仕方を独学で身につけることはできますか?
できます。本ページで解説した「総支給額の確定 → 社会保険料の計算 → 課税所得の算出 → 所得税の計算 → 住民税の計算」という5つのステップを理解すれば、基本的な給与計算の仕組みは把握できます。実際の計算をまとめて自動で行いたい場合は給与計算ツールが便利です。
自分で給料計算をする際、標準報酬月額の等級表は必要ですか?
正確な実務(実際の給与明細と完全に一致させたい場合)では必要ですが、目安を知りたいだけであれば、総支給額に料率を直接掛ける本ページの方法でも数百円程度の誤差に収まります。給与計算ツールも同じ直接計算方式を採用しています。
ボーナス(賞与)の計算方法も同じですか?
いいえ、賞与の所得税は月給とは別の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」という専用の速算表を使うため、計算方法が異なります。本ページで解説している所得税の速算表は月給(給与所得)向けのものです。
パートやアルバイトでも同じ手順で計算できますか?
所得税・住民税の計算方法自体は同じですが、パート・アルバイトの方は労働時間や賃金が一定基準を下回ると社会保険(厚生年金・健康保険)の加入対象外になることがあります。その場合、ステップ2の社会保険料はかからず、ステップ3以降の所得税・住民税の計算のみが該当します。
1万円刻みではなく、自分の正確な月給で計算したいです。
本ページの早見表は代表的な金額のみを掲載しています。任意の月給・年齢・扶養人数で正確な内訳を確認したい場合は、給与計算ツールのトップページに数値を入力してください。本ページと同じ計算式でその場で結果が表示されます。